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おしゃれなだけでは続かない。          店舗デザインで見落としがちな5つの罠

こんにちは、ImaedaDesignです。

今回は、店舗デザインで見落としがちな5つの罠についてご紹介します。

「おしゃれなお店にしたい」という想いは、店舗づくりを始める多くの方が抱く理想です。

 

しかし、見た目の美しさだけを追いかけてしまうと、開店後に「動きづらい」

「雰囲気が合わない」といった悩みが生まれることも少なくありません。

店舗デザインの本質は、“美しさ”“使いやすさ”、そして“心地よさ”

どのように共存させるか・・

 

弊社では、空間を「デザインすること」そのものよりも、“どんな時間が生まれるか”

を大切に考えています。

店舗づくりを検討される方にとって、長く愛される空間をつくるヒントになれば幸いです。

 

 

#1 見た目だけで選んでしまう罠

 

「おしゃれな店舗にしたい」という想いは、開業前のオーナーが最初に抱く夢です。

SNSや雑誌で見かける洗練されたデザインを参考にしたくなる気持ちは当然ですが

“見た目だけ”でデザインを決めてしまうと、実際の運営で大きな落とし穴にハマることが・・

 

例えば、照明を落として雰囲気を出した結果、商品が見づらくなって売上が下がる。

素材の質感を重視しすぎて、清掃やメンテナンスに手間がかかる。

こうした事例は、店舗デザイン初心者が最も陥りやすい失敗です。

 

よくある「見た目重視デザイン」の失敗と改善ポイント

こだわりポイント 起きる問題 改善のヒント

 雰囲気を出すために

 照明を暗くする

 商品やメニューが

 見えにくい

 エリアごとに照度を調整し

 照明計画を設計段階で検討する

 素材感を出したくて

 無垢材を多用

 汚れや劣化が早い

 メラミン素材など見た目と

 機能を両立できる素材を選ぶ

 トレンドを優先して

 デザインを決定

 ブランドとの

 不一致・飽きやすい

 店舗コンセプトと

 “誰のための空間か”を明確にする

デザインは「美しさ」ではなく「使いやすさ」を支えるための設計です。

弊社では、見た目の印象だけでなく、動線・照明・メンテナンス性までを一体で考える

“機能美”を重視しているため、心地よく使える・長く選ばれる店舗を目指しています!

 

check point   —————————————————————————————-

見た目だけでなく「運営のしやすさ」を意識して設計を

デザイン段階で動線・照明・素材の機能性を確認      

美しさ×機能性=持続する店舗デザイン

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#2 動線と使いやすさを後回しにする罠

 

店舗デザインの打ち合わせで「見た目」「コンセプト」が先に盛り上がり

動線設計が後回しになるケースは少なくありません。

しかし、どんなに美しい空間でも、動きにくい店舗は“居心地が悪い店”になってしまうのです。

 

たとえば飲食店で、入口から席までの通路が狭くスタッフがすれ違いにくい、物販店で

レジ前に人が滞留してしまうなど・・・

◎お客様もスタッフも“ちょっと使いづらい”と感じた瞬間

 その印象は店舗全体の評価につながります。

 

よくある動線ミスと改善のヒント

シーン よくある失敗 改善ポイント
 入口付近

 商品を詰め込みすぎて

 圧迫感が出る

 視界を開けて“入店しやすさ”を優先する
 レジ・カウンター  混雑時に行列が通路を塞ぐ  退店動線とレジ待機動線を分ける
 スタッフ動線  キッチンやバックヤードが狭い

 動きやすさ・補充のしやすさを

 設計段階で検討する

動線設計とは「人が自然に動く導線をつくること」。

これは感覚ではなく、“行動心理”と“業務フロー”を踏まえた設計の技術です。

 

check point   —————————————————————————————-

美しい空間より「心地よく動ける設計」が優先

来客・スタッフそれぞれの動きを想定して配置を考える

動線が整うと「滞在時間」「回転率」「売上」すべてが向上する

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#3 ブランドらしさを設計に落とし込めていない罠

「ブランドコンセプトは決まっているけれど、空間にどう反映すればいいか分からない」

そんな声をよく聞きます。

ロゴや色だけを真似しても、“ブランドの世界観”が伝わるとは限りません。

多くの店舗デザイン初心者がここでつまずきます。

ブランドとは、単なる見た目の統一ではなく、「体験の一貫性」をつくること。

たとえば「落ち着くカフェ」を目指すなら、素材・照明・音・スタッフ動線すべてが

“落ち着く”という印象につながる必要があります。

反対に、コンセプトが曖昧なまま内装を進めてしまうと

「なんとなくおしゃれだけど印象に残らない」空間になりがちです。

 

ブランドらしさを空間に反映させるチェックポイント

項目 よくある問題 改善の考え方
 コンセプトの定義

「ナチュラル」「高級感」

 など抽象的

 誰に、どんな印象を、どんな体験で

 与えたいかを具体化する

 カラー・素材

 トレンドを優先して

 統一感が崩れる

 ブランドイメージを軸に

 “触感・質感”で統一する

 サイン・ロゴ配置

 デザインが主張しすぎて

 空間と不調和

 全体のバランスを重視し

「ブランドの余白」をつくる

私たちは、ヒアリング段階でブランドの軸」を丁寧に掘り下げ、空間を通して

“らしさ”が体感できるデザインを目指しています。

見た目を整えることよりも、ブランドのストーリーを空間で語ること

それが長く愛される店舗づくりの鍵だと思います。

 

check point   —————————————————————————————-

ブランドは“見た目”ではなく“体験の一貫性”

空間要素(素材・照明・動線)すべてがブランドを語る

コンセプトを「空間で翻訳」する設計を意識する

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#4 素材選びをコストで決めてしまう罠

店舗づくりの後半になると、どうしても気になるのが「予算」。

その結果、“とりあえず安い素材で”と判断してしまうことがよくあります。

けれど、素材選びをコストだけで決めてしまうと、数ヶ月後にメンテナンスや

印象の劣化で結局コストがかかるという落とし穴に陥ります。

 

素材は、見た目だけでなく「耐久性」「清掃性」「経年変化」など、

長期的な視点で選ぶことが重要です。

たとえば、床材ひとつでも、表面の摩耗・汚れやすさ・滑りやすさなど店舗の用途によって

最適な選択は変わります。

 

コスト優先で後悔しやすい素材選びの例

箇所 よくある失敗 改善の考え方
 床材  安価なフローリングがすぐに傷つく

 店舗用の長耐久素材

(長尺シートやタイル)を検討

 壁面  クロスを節約した結果、汚れが目立つ  部分的にメラミンや塗装で耐久性をアップ
 カウンター

 無垢材で高級感を出したが

 水ジミや変形が発生

 化粧板や突板で見た目と強度を両立

 

コスト判断の目安表

判断基準 短期的な選択 長期的な選択
 初期費用  低コストで抑える  適正コストを見極める
 耐久性  傷みやすい素材  長持ちする素材
 見た目  一見きれいだが質感に欠ける  素材感や重厚感がある
 結果  修繕・交換が増える  維持コストが安定

check point   —————————————————————————————-

素材は「安さ」より「持続性」で選ぶ

汚れ・摩耗・清掃性を考慮した設計が重要

コスト×機能×デザインのバランスが“賢い素材選び”

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#5 完成後の運用を想定していない罠

どんなに素敵な空間でも、「完成した瞬間がピーク」では意味がありません。

店舗は“完成してからが本番”

開業後の運用を考えずに設計してしまうと、思わぬ不便さが積み重なり

結果的にスタッフのストレスやお客様の満足度低下につながってしまいます。

 

見落としがちなポイント 実際に起こりやすい問題例
 清掃・メンテナンス動線  掃除機やモップが通らない、汚れが落ちにくい素材を使ってしまう
 レイアウト変更の柔軟性  商品の入れ替えや季節演出が難しくなる
 設備や照明のメンテ性  ライトの交換や設備点検に時間とコストがかかる
 スタッフ導線  開業後の動線が複雑で作業効率が下がる

これらはすべて「運用の視点」が設計段階で欠けていることが原因です。

弊社では、デザインを“維持できる仕組み”まで含めて設計することを大切にしています。

空間の美しさを長く保ち、スタッフが気持ちよく働ける環境を作ること。

 

まとめ

店舗デザインの本当の価値は、完成した瞬間ではなく、その後も長く愛され続ける空間

として育っていくことにあります。どれほど美しいデザインでも、使いにくければ

あるいは運用が続かなければ意味がありません。

弊社では、「デザインの力で人と社会を豊かにする」という理念のもと、設計・施工

そしてアフターフォローまで一貫してサポートしています。

空間が実際に使われる中で見えてくる課題や改善点にも寄り添い

お客様とともに“成長していくデザイン”を目指しています。

 

私たちにとって、空間の完成は“ゴール”ではなく“スタート”です。

店舗の未来を見据え、長く価値が続く空間をデザインする

——それが、Imaeda Designの想いです。