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設備機器を魅せる時代 ─機能を空間デザインに変える発想

こんにちは、ImaedaDesignです。

今回は、設備機器デザインについて解説していきます。

これまで「隠すもの」とされてきた配管や空調などの設備機器。

しかし今、それらを“魅せる”ことで、空間全体の印象を高めるデザインが注目されています。

無機質な設備も、配置・素材・照明の工夫ひとつで、空間を語るデザイン要素へと

生まれ変わります。

機能をデザイン価値に変える「設備デザイン」という考え方をご紹介していきます!

 

 

 

なぜ“設備を魅せる”発想が広がっているのか

近年、カフェやオフィス、ホテルなどで「配管やダクトをあえて見せる」

空間デザインが増えています。

背景にあるのは、『機能を隠さず、そのままの姿をデザインとして活かす』という考え方。

むき出しの配管や金属の質感、構造のラインは、無機質でありながらも

独自のリズムや存在感を生み出します。

これは単なる装飾ではなく、空間のリアリティや誠実さを伝える要素にもなっています!

設備を“見せる”ことは、ブランドの世界観や企業の価値観を体現する手段のひとつ・・・

“ありのままの構造を美しく見せる”発想が、今多くの空間づくりで求められているのです。

 

 

魅せるデザインの3つのポイント

設備を“魅せる”デザインを成立させるには、

単に配管を見せるだけでなく、空間全体のバランスを取る工夫が欠かせません。

次の3つのポイントを大切にしています。

ポイント デザインの考え方 効果・印象
① 素材の統一感

 金属・塗装・カラーを統一して

 空間のトーンを整える

 洗練された印象を与える
② 配置のリズム

 構造や照明ラインと揃えて

 “整然とした美しさ”を演出

 無機質でも心地よい空間に
③ 光との関係性  設備に光を当てて陰影をデザインする

 立体感・深みのある

 空間表現が可能

例えば、配管を壁際にまとめるだけでも、構造が整って見える

また、照明を少し斜めに当てると、金属の艶や陰影がアクセントになります!!

「隠す」ではなく、「整えて魅せる」ことが、設備デザインの核心です。

 

 

設備デザインが生み出す“空間価値”

設備をデザインとして取り入れることは、単なる“見た目の工夫”ではありません。

それは空間の機能性・ブランド性・持続性を同時に高めるデザイン戦略です。

下の表は、設備デザインがもたらす「3つの価値」をまとめたものです。

観点 内容 得られる価値
① 機能性

 設備を露出させることで

 メンテナンス性や可変性が向上

 長期的なコスト削減・

 効率的な運用

② ブランド性

 “構造の見える化”によって

 誠実さ・透明感のある印象に

 空間が企業や店舗の価値観を語る
③ デザイン性

 素材・ライン・光のコントラストが

 新しい美しさを生む

 機能と美の両立した空間デザイン

このように、設備を「裏方」ではなく「主役の一部」として捉えることで、

空間そのものがブランドストーリーを語る場になります。

見せ方次第で、無機質な機械も“意志を持つデザイン要素”へと変わるのです。

 

💡ワンポイントメモ

「設備をどう見せるか」は、

空間の世界観やブランドの“誠実さ”を表すサインでもあります。

 

 

素材と質感が空間の“温度”を決める

空間における設備機器は、単なる機能部品ではなく、

           空間の“温度”を左右する感性の要素でもあります。

たとえば、ステンレスの冷ややかな光沢はシャープで都会的な印象を与え、

木目調の素材は柔らかく温もりある空気感を醸し出します。

どちらも空間の語り口を変える力を持っており、選択次第で空間の表情は大きく変化します。

 

さらに、表面仕上げの違いも重要です。

ヘアライン仕上げは繊細で控えめな陰影を生み、鏡面仕上げは空間に広がりと緊張感を与える。

マットな質感は光を吸収し、落ち着いた印象を演出します。

これらの違いは、視覚だけでなく触覚にも影響を与え、空間体験の深度を高めます。

手が触れたときの感触—冷たい、滑らか、ざらつきは、無意識のうちに空間との

距離感や親密さを形成します。

設備機器の素材と質感は、空間の温度を調整する“見えない演出家”なのです。

 

 

素材と質感が空間の“温度”を決める

かつて設備機器は、空間の裏方として機能性を優先されてきました。

しかし今、照明・空調・配線といった要素が、空間の美しさを語る“主役”へと進化しています。

 

たとえば、ダクトレール照明はその自由度と造形美で、空間にリズムと動きを与えます。

スポットライトの配置や角度を変えることで、光の演出が自在に変化し、

空間の表情を操ることができます。

※ダクトレール

 

天井埋込型エアコンは、“見せない美学”の象徴です。

存在感を消しながらも快適性を保ち、空間のデザインを邪魔することなく、

静かに機能を果たします。

これは、空間の余白や静けさを尊重する美意識の表れとも言えるでしょう。

※天井埋込型エアコン


さらに、配線カバーやコンセントも“見せる収納”として再評価されています。

素材や色、形状にこだわることで、壁面のアクセントとなり、

空間の物語性を高めるパーツへと昇華します。

設備機器は、ただの機能ではなく、空間の質感や思想を語る

“デザインの言葉”になりつつあります!!

美と機能が融合することで、空間はより豊かに、より深く人の心に響くのです・・・

 

まとめ

私たちは、「美しさ」と「機能性」が自然に共存する空間づくり。

設備機器は、ただ“動かす”ためのものではなく、

空間の構成要素として、意図をもってデザインすべき存在だと考えています。

設備が調和している空間は、「見た瞬間に整っている」と感じさせる力を持っています。

 

設備は建築の裏側ではなく、空間価値を高める主役のひとつです。

弊社では、機能性を損なわず、設備機器を含めたトータルデザインをご提案しています。

“見せ方”ひとつで空間は変わります。

美しさと使いやすさを両立した空間づくりをお考えの方は、ぜひご相談ください!!